【第16回】もう死んでいる十二人の女たちと(5/17~5/23)

今週の一冊

韓流の勢いがとまらない・・・

BTSの新曲のYou tube動画が、1日で1億回を超えたそうです。昨年の半地下生活を描いたパラサイトのアカデミー賞受賞も話題になりました。音楽や映画、ドラマでの韓流の躍進は、アジアでここまでできるんだという元気をもらえるニュースになっていると思います。

ハン・ソッキュ主演、1999年公開の「シュリ」を鑑賞したとき、ハリウッド以外で、しかも同じアジア人でここまでのクオリティの映画を創れるんだと衝撃を受けました。

あれから22年。多くの人々が衝撃を受け、影響されたはずの芸能・芸術の世界で、日本はその差を詰めるどころか、圧倒的な差を付けられてしまいました。

経済では中国に負け、芸術・芸能では韓国に負け、いいところがない日本ですが、やはり驕りがあったのだと個人的には思います。

中国や韓国、その他アジアの国々からも学ぶべきところは学ぶ、日本はもはやアジアのリーダー、先進国ではないということを自覚し、謙虚に精進することから始めなければ、今後、まずます世界から取り残されてしまいます。

小説、ノベルの世界でも韓流が侵食してきています。

韓流小説のブームがはじまる?

この作品はショートストーリーを集めたものですが、作品のレベルの高さは、さすが、いまの時代を席巻している韓流です。

これまで何度も映画や小説のテーマとなった光州事件、近年その残虐性と非合理性で注目を集める女性暴行事件など、いわるゆ社会派と呼ばれる難しいテーマを、独特の視点からエンターテインメントとして完成させた日本オリジナル短篇集となっています。

韓国や日本に限らず、いま世界で起こっている、だれもが不条理を感じるテーマを、リアルに、かつ、感情的に訴えるように描かれた本作は、心にひっかかっているものを、取っ払ってくれるかもしれませんし、逆にもっと大きくするかもしれません。

読む人のタイミングと、そのときの感情に左右されることでしょう。

タイミングは大事です。いつもそばにあるわけではないので決して見逃さないようにしてください。

made in Japanは世界一。それは過去の栄光で、いまでは幻想です。

もう一度、日本が輝くためにも、謙虚に学ぶ姿勢が問われていると思います。

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