【第15回】阿波女あきんど塾(5/10~5/16)

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日本経済新聞(2021年5月15日)によると、女性の管理職比率で1位(国勢調査2015年)の徳島県では、その比率が2割を超えています。

徳島県では1995年「女性の起業が世界を変える」として、人脈づくりを支える女性経営者の集まり「阿波女あきんど塾」が徳島市で発足したそうです。

また、同紙によると、「2018年には徳島経済同友会に初の女性トップが誕生。2019年に県経営者協会、商工会議所トップにも女性が就き、政治・経済界を率いる」など、女性の活躍が掲載されています。

2位の熊本県(女性の管理職比率19%)も2014年度から「女性経営参画塾」を開始しています。

「かかあ天下」という言葉があります。この言葉は、「からっ風」と並んで、上州名物(群馬県)と言われています。これらの地域では、かつて養蚕業が盛んで、女性の経済力が男性より高かったことに由来するそうです。現状では、女性の管理職比率を地域別にみると、中国・四国(17.8%)がトップ。以下、九州・沖縄、関西、東北、関東、東海、北海道、北陸・信越と続いています。

気質や地域性、環境といった要因もないことはないのでしょうが、県や市の取り組みや、一人の突出した女性経営者やリーダーが状況を変えることもよく見られます。

経営学のリーダーシップ論では、リーダーは、「タスク志向型」と「人間関係志向型」に大別できます。コンティンジェンシー理論というものがあり、絶対的なリーダー像というものは存在せず、状況によって理想のリーダー像は異なるというものです。いまの管理職世代は、子どものころ、「男らしく」とか「女らしく」といったことをあまり言われなくなってきた時代に育った方が多いのではないでしょうか。男性、女性という区別自体、以前に比べればあまり意味のない分析かもしれませんが、いずれにせよ柔軟性が求められるのが、現代社会の特徴といえます。

グローバル社会では急速にさまざまな多様性が求められており、管理職比率がトップの徳島県でも20%にとどまっている女性のさらなる活躍は、元気のない日本経済の起死回生の強力な武器になる可能性を秘めているといえます。

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